今年の夏は怪談
- 919aurora
- 8月31日
- 読了時間: 2分
[2025.08.31]

それでもスズムシの声が
明日から9月になるというのに馬鹿げた暑さが続いている。夜には虫の音も聞こえ始めたが、気温のほうはまだまだ異常だ。今年の夏は2週間ぐらい北海道に避暑に行こうかなとも考えたが、やはり猛暑みたいで行かなくてよかった。
自分の練習中では覚悟してエアコンをつけないこともあるが、それ以外の時間はほぼエアコンをフル稼働している。
エアコンにあたり続けると気力も体力も尽きかけるけるので、なんとか心底寒くなるようなものはないだろうか、とあれこれ探してみた。
怪談がいい
発想が貧困かもしれないが、やはりカネもかからず手っ取り早いのは寝っ転がって「怪談」を聞くことだろう。怪談朗読のサイトを久しぶりに検索してみた。あいかわらず多くのサイトがあり、それぞれの傾向やパターンは様々だ。
なかでも136のこのサイトには多くの話が集録されていて、とても聞きやすい声で語ってくれる。個人的には、昔の学生時代を背景に物語が展開する「師匠シリーズ」が気に入っている。社会的な要素も交え、それぞれの登場人物が生き生きと描かれ、単なる怪談の域を超えてすがすがしさと深さを覚える。
現代の怪談
でも考えてみると、私たちの周りには怪談とおぼしきものがそこら中にころがっている。
現代の怪談には、なにもお化けや幽霊はいらない。それよりはるかに怖くて不思議なものが数多くある。
たとえば江戸時代の農民よりも私たちの税負担が多いという現状がある。そして近いうちにますます国家は苛酷なあらゆる負担を押し付けてくる状況。国民が生物的にも存在できなくなるのを承知で、ということは為政者たち自身の存立基盤が危うくなるのを十分に知りながら国民から搾り取るということになる。不思議な怪談だ。
海外では、すでに決着がつき終わりそうなのになかなか終わらせない戦争や、毎日半ば計画的に虐殺が行われていてもそれに沈黙する「人権と民主主義」を掲げる国々。
そんな怪奇に満ちた世界にあって、私たち自身はどうかと言えば、多くの催眠装置の中で効率よく眠らされ、半ば自ら進んで心まで支配されていく不思議。これが最高の怪談かな。


