top of page

再びアラスカで

  • 執筆者の写真: 919aurora
    919aurora
  • 8月15日
  • 読了時間: 2分

[2025.08.15]


158年ぶりの売買

8月15日になった。80年前に日本が中国やアメリカなどに敗戦した日だ。そんな日にアラスカのアンカレジでアメリカとロシアの大統領が会談するという。さて今回売り買いされるのは世界のどこなのだろう。というのも今から158年前にロシアが支配していたアラスカをアメリカが購入したからだ。


先住民が住む土地を勝手に売買

1867年3月(日本の明治維新の前年)、ロシアはクリミア戦争や捕獲資源の減少などで座お静的にアラスカの植民地経営に行き詰っていた。そこでアメリカに売却をもちかけ交渉が成立し、アラスカはアメリカ領となった。

当然ながら古来から生活している先住民にはお構いなしだった。スペイン、ポルトガル、イギリス、フランスなどの西欧諸国(そして残念ながら日本も)が世界中で行ってきたことと同じである。


ロシアの方が少しマシ

植民地の先住民・少数民族に対する扱いは、歴史を見るとロシアもアメリカもひどいものだった。ただ先住民の文化保持に関しては、ロシア(特にソビエト政権下では)は比較的に留意した、と署名は忘れたがなにかの本で読んだことがある。

私の数少ない経験からもロシアでは先住民の文化保存や現在の文化活動には留意しているようだ。社会に占める先住民たちのあり方も、アメリカにおけるそれとは少し異なっているように思えた。まあでも、先住民を根こそぎ滅亡させる傾向の西欧・アメリカに比較すればの話だろうけど。


フェアバンクスで見たオーロラ

そんな背景のあるアラスカを舞台に作品を作ったことがある。158年前の大国どうしの先住民の住む土地の売買と支配、この状況は今でも私たちにのしかかる暗雲だ。状況は変わらない。人間支配のあらゆる策略を使う権力者に抗い、自分自身を保っていくその困難さと、またそうすることのやりがいはいつの時代どの場所でも私たちの重要な課題だろう。フェアバンクスで見たオーロラはそう語りかけているようだった。


bottom of page